日本各地に数多くある名園の中でも、「日本三名園」と呼ばれる三つの庭園は、歴史・景観・格式のすべてにおいて群を抜いた存在です。
この記事では、石川県金沢市の「兼六園」、岡山県岡山市の「後楽園」、茨城県水戸市の「偕楽園」それぞれの魅力を徹底解説し、実際に訪れて感じたおすすめポイントや、どの庭園が一番良かったかもお伝えします。
そもそも「日本三名園」とは?
「日本三名園(にほんさんめいえん)」とは、日本を代表する三つの大名庭園の総称です。
江戸時代、各地の藩主によって造られた庭園の中でも、以下の三つが特に優れているとされ、「三名園」として広く知られるようになりました。
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兼六園(石川県金沢市)
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後楽園(岡山県岡山市)
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偕楽園(茨城県水戸市)
それぞれの庭園には異なる魅力と特色があり、「三つの中でどこが一番か?」という話題は、今も多くの人に親しまれています。
後楽園(岡山県岡山市):広がる芝生と池泉回遊式庭園の開放感
歴史と背景
後楽園は、1687年に岡山藩主・池田綱政の命により築庭されました。
完成は1700年とされ、藩主の静養や賓客の接待の場として使用されていました。
日本庭園としては珍しく、広大な芝生が中央に広がる造りになっており、開放感にあふれています。
見どころ
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園内中央にある「沢の池」は、周囲の自然と調和した美しい水辺空間。
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芝生広場や茶畑、水車など、自然と人の営みが融合した景観が魅力。
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岡山城を借景に取り入れたダイナミックな眺めも特徴です。
観光情報
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入園料:大人410円、小人140円、シニア(65歳以上)140円
隣接する博物館や岡山城との共通入園券もあり、それらの施設に行く場合は断然お得になります。 -
アクセス:岡山駅から路面電車・徒歩またはバスで約10〜15分
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おすすめの季節:夏(新緑)、秋(紅葉)

偕楽園(茨城県水戸市):梅の名所として名高い、人と共に楽しむ庭園
歴史と背景
偕楽園は、1842年に水戸藩第九代藩主・徳川斉昭によって造られました。
「偕(とも)に楽しむ」という名前の通り、藩主のみならず庶民も楽しめる庭園として設計されたことが他の名園と異なる特徴です。
見どころ
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3,000本以上の梅の木があり、「梅の名所」として全国的に有名。
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毎年2月下旬から3月にかけて開催される「水戸の梅まつり」は、多くの観光客で賑わいます。
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好文亭という木造の建物からは、庭園を一望できます。
観光情報
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入園料:偕楽園本体は無料(一部有料エリアあり)
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アクセス:水戸駅からバス約20分、梅まつり期間中は「偕楽園臨時駅」が開設
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おすすめの季節:早春(梅)

兼六園(石川県金沢市):四季を通じて美しい日本庭園の代表格
歴史と背景
兼六園は、1676年に加賀藩五代藩主・前田綱紀によって造園が始まりました。
長い年月をかけて整備が進み、現在の姿になったのは19世紀初頭のことです。
「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望」という六つの景観的要素を兼ね備えていることから「兼六園」と命名されました。
見どころ
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冬の風物詩「雪吊り」は、雪の重みから樹木を守ると同時に美的にも優れており、兼六園を象徴する景色です。
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園内の霞ヶ池や、木々と水のバランスのとれた風景はまるで絵画のよう。
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春の桜や秋の紅葉など、四季折々で全く違う顔を見せてくれます。
観光情報
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入園料:大人320円、小人100円(65歳以上は無料)
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アクセス:金沢駅からバスで約15分、「兼六園下」バス停すぐ
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おすすめの季節:冬(雪吊り)、春(桜)
三名園を比較してみて感じたこと
実際に三つすべての庭園を訪れてみると、それぞれの違いがよく分かります。
庭園 | 規模 | 見どころ | 季節の魅力 | 雰囲気 |
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兼六園 | 中規模 | 雪吊り、霞ヶ池 | 四季折々 | 優雅で格式高い |
後楽園 | 最大級 | 広大な芝生、沢の池 | 夏の新緑・秋の紅葉 | 開放感あり |
偕楽園 | 梅林中心 | 梅まつり、好文亭 | 早春 | 親しみやすい |
実際に「日本三名園」に全て行ってきた僕が一番良いと思った庭園は広大で開放感のあった岡山後楽園です。
どこも素晴らしい庭園で素晴らしかったのですが、後楽園の園全体に広がる芝と小川はとても気に入りました。
また正門から入ってすぐに広がる景色も素晴らしいですが、中央にある「沢の池」の少し小高い「中の島」からの景色は良かったです。
まとめ:日本三名園は、それぞれ違った楽しみ方ができる!
日本三名園は、どれも一度は訪れてみる価値のある庭園ばかりです。
歴史的背景や設計思想、自然との調和のあり方に、それぞれの地域や藩の文化が反映されています。
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落ち着いた風情と四季の移ろいを楽しむなら「兼六園」
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自然の広がりと人の営みの調和を味わいたいなら「後楽園」
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季節の花と市民に開かれた空間を満喫するなら「偕楽園」
どの庭園も日本らしい美の真髄を感じられるスポットです。
ぜひ訪れる季節に応じて選び、三名園巡りを楽しんでみてください。
では「日本三名園」については以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました!


