「国宝」や「特別名勝」という言葉、観光地やニュースで耳にすることがありますよね。
どちらも日本の大切な文化財ですが、具体的にどう違うのかご存知でしょうか?
この記事では、国宝と特別名勝の違いをわかりやすくご紹介します。
そもそも「文化財」って何?
まずは「文化財」について簡単に説明します。
文化財とは、歴史や芸術、学問などの面で価値があると認められたものを指します。
大きく分けて以下のような種類があります。
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有形文化財:建物や絵画、彫刻、工芸品など、形のあるもの。
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無形文化財:演劇や音楽、工芸技術など、形のない伝統的な技術や芸能。
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民俗文化財:昔からの生活や風習、祭りなど。
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記念物:史跡や名勝、天然記念物など、自然や歴史に関わる場所やもの。
これらの文化財は、国や地方自治体によって指定され、保護されています。
「国宝」ってなに?
有形文化財の中でも価値が高いものが「重要文化財」となり、「国宝」とはその中でも特に価値の高いものに与えられる称号です。
「これは日本の歴史や文化を語る上で、欠かせない!」と国が認めたもの。
建物や美術品など、形のある“モノ”が対象になります。
具体例
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姫路城(兵庫県)…白く美しい天守閣が有名
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法隆寺金堂(奈良県)…世界最古の木造建築
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源氏物語絵巻…平安時代の美しい物語絵


「特別名勝」ってなに?
一方の「特別名勝」は、風景や庭園といった“場所”に与えられる称号です。
「名勝」の中でも、特に芸術的・文化的に優れていると評価されたものが「特別名勝」となります。
つまり、見て感動するような絶景や、完成度の高い日本庭園などが対象です。
具体例
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兼六園(石川県)…日本三名園のひとつ
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桂離宮(京都府)…洗練された美と建築の融合
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上高地(長野県)…雄大な自然が広がる山岳地帯


国宝と特別名勝の違いをまとめてみよう
分類 | 国宝 | 特別名勝 |
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種類 | 有形文化財 | 記念物(名勝) |
対象 | 建物、美術品、工芸品など | 庭園、自然の風景、景勝地 |
主な評価ポイント | 歴史的・芸術的価値が高い | 景観の美しさ、完成度の高さ |
代表例 | 姫路城、源氏物語絵巻 | 兼六園、桂離宮 |
まとめ:旅行をもっと楽しむヒントに
国宝も特別名勝も、どちらも日本が「これは後世に残したい!」と認めた、とても大切な存在です。
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「国宝」は形ある“モノ”の宝
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「特別名勝」は見て楽しむ“場所”の宝
ちょっとした違いを知っておくだけで、旅行や観光がぐっと深く楽しめます。
たとえば、庭園を訪れたときに「ここは特別名勝なんだ!」と知っていれば、その景色をじっくり味わって見たくなるものです。
次のお出かけの際は、看板やパンフレットにある文化財のマークに、ぜひ注目してみてくださいね。